サイケな男

psychological man's reading record

【読書】樺沢紫苑『学び効率が最大化するインプット大全』【レビュー】

書くぞ!と意気込んだものの、仕事が立て込んでいましてなかなか更新することができず…。ようやく落ち着いたので、この記事を皮切りに更新頑張っていこうと思います。

 

さて、このブログの内容は基本的に、私の普段の生活でインプットした知識や体験、経験をアウトプットしたものになっていくと思います。

 

自分の興味、関心がある分野は、心理学、特に学習心理学認知心理学といった分野で、人の学びがどのように行われていくのかについて知ること、そしてその知見を生かして新しいことを学ぶこと。また教育関連の仕事を行っているので、仕事にも還元していきたいと思っています。

 

他にも音楽、哲学、健康、読書記録といった分野についても書いていこうと思っています。

 

さて、今回は、読書レビューということで、アウトプット大全という本でも有名な樺沢紫苑さんの『学び効率が最大化するインプット大全』です。今回の本はアウトプットの方法ではなくインプットの方法論。

 

 

学び効率が最大化するインプット大全

学び効率が最大化するインプット大全

 

 

 

アウトプット大全については以前読んだことがあるので、またこの機会に読み返してみようと思っている次第。ですがまずはアウトプットする知識がなければそもそもアウトプットにまで至れません。つまり、まずはインプットから。ということになります。

では、個人的に読んで大切だと思ったことについてまとめていきます。

 

アウトプットの基本原則

さて、いきなりインプットの話ではなくアウトプットの話で始まりました。が、そもそもインプットはアウトプットのためにするものであるということを先ほども述べました。アウトプットの基本原則を知ることが、インプットにつながる。ということで見ていきましょう。

 

  1. 2週間に3回使った情報は長期記憶される
  2. 出力と入力のサイクル「成長の螺旋階段」
  3. インプットとアウトプットの比率は3:7
  4. アウトプットの結果を見直し、次に活かす

1.  2週間に3回使った情報は長期記憶される

記憶には短期記憶と長期記憶があります。ざっくり言えば短期記憶とは、数秒単位の時間だけ保持される記憶のことです。それに対して、長期記憶とは比較的長い時間保持されている記憶のことです。

 

さて、いわゆる知識を身に着けるという段階に到達するためには、インプットされた知識や体験を短期記憶ではなくこの長期記憶として保持されなければなりません。では、どのようにすれば短期記憶から長期記憶へと変化するのか。

 

繰り返し読んだり見たりすること(復唱)や、もともと持っている知識へ結びつけることなどで短期記憶から長期記憶へと変化していくとされています。

 

学校の勉強で最も多いのは、繰り返し書く、読む、見るといった方法による長期記憶化でしょう。短期記憶だけでは参考書等持ち込み不可の試験には太刀打ちできませんから。

 

また、新しく入手した知識でも、すでに知っている知識と関連した知識であったり、結びつけたりすることで長期記憶化が促されます。

 

そして、一度インプットした知識を復習する頻度が重要です。著者は、2週間に3回使うことで長期記憶化につながると述べています。4〜5日に1回ずつインプットした内容を思い出せるような習慣を作っておくことで長期記憶化につながるでしょう。

2.入力と出力のサイクル「成長の螺旋階段」

いうまでもなく、入力(インプット)→出力(アウトプット)→入力(インプット)→出力…というサイクルによってさらに高次なレベルへと自分の知識を成長させていくことができます。一度インプットとアウトプットを行えば、行う前とは違った考え方やものの見方に変わるでしょう。そしてその新しい考え方やものの見方によって、新たな情報をインプットし、またアウトプットしていく。この繰り返しによって自分が刷新されていきます。

3.インプットとアウトプットの比率は3:7

インプットの方が多くなくていいの?と思うかもしれませんが、アウトプットというのは想像以上に労力がかかるものです。インプットは手軽に、短時間で行うことができますが、それを再言語化するという作業は倍以上の労力がかかります。ここで、インプットの量を増やしすぎると、アウトプットが追いつかなくなり、せっかくインプットした知識も長期記憶化する前に忘れ去られてしまいます。そのため、インプットした内容を確実にアウトプットできるような比率が大切です。

私もインプットが多すぎる割に、アウトプットする機会に恵まれていなかったので、このブログを始めようと思いました。続けていける範囲内でインプットしていかねば…

4. アウトプットの結果を見直し、次にいかす

アウトプットによって、知識が身につきやすくなることは間違いありません。しかし、ただアウトプットするだけでなく、その結果を次のインプットやアウトプットにどう生かしていくのかという反省やチェックを行うことが重要です。それが螺旋階段上の成長に繋がっていきます。

 

インプットはin+put

さて、ようやくインプットの話です。

インプットとは、聞く、読む、見るなどの行為のことですが、聞き流し、読み流し、といった言葉があるように、内容が右から左にスルーしていくような方法はインプットとは言えません。

その言葉の成り立ちを見ればわかるように、in+put、つまり、情報を中に入れて「置く」ということがインプットです。いったん、内容を自分の中で保持する。このような行為を行うことがインプットの第一歩です。

確かに自分もとりあえず聞いたり読んだり見たりするだけで、内容を保持できていないな…そういうインプットではすぐに忘れてしまいますね。

 

インプットと目標設定はセット

曖昧な目的意識でインプットを行っても、それが質のいいインプットやアウトプットには繋がりません。大事なことは、インプットと目標設定をセットで行うこと。

以下の4つを明確に決めれば、グッと質の高いインプットにつながるでしょう。

キーワード:なにをインプットするのか?(例:英語)

方向性:インプットした知識を何に活かすのか?(ワーキングホリデーにいく) 

期限:いつまでに行うのか?(○月○日)

目標:具体的な目標設定(TOEIC〇〇点)

 

アウトプット前提でインプットする

何かを教えられたあと、テストを行いますと言われたグループと、何かを教えられた後、誰かにその内容を教えてもらいますと言われたグループで、どちらが学習内容が定着していたのかを調べた研究によれば、後者のグループの方が学習内容が定着していたそうです。

 

誰かに教えるというプレッシャーがあれば、能動的に学習に取り組むようになるでしょう。自分がインプットする際も、誰かに教える、ブログに書く、といったことを目的に行うことで質の高いインプットが行えるようになる。常にアウトプットのことを考えてインプットすることを意識していきましょう。

 

読書や人の意見はまずニュートラルに聞く

読書をしている最中や他者の意見を聞いているときに、自分の意見とは違うことや、納得のいかないこと、間違っていることが出てくることがあります。しかしここで批判的な態度を取ってしまうと、もうその本や他者から学ぶことを完全にシャットアウトした状態になってしまいます。良し悪し、正誤の判断は、読み終わった後、聴き終わった後でも遅くはありません。中断せず、素直に読み、聞くこと。そしてその後に自分の意見をまとめる、主張することが大切です。

自分も、人の意見を中断して正論を述べてしまうことが多かったな…と反省。

 

重要な判断は賛成派、反対派、中立派の3点インプット

人は、自分の意見が正しいと思ってしまいがちで、情報も自分の意見を支持するようなものだけに目が行きがちになります(確証バイアス)。しかし、重要な判断をしなければならない場面において、自分の意見を支持する情報だけ手に入れていては、重大な欠陥に気づけず、いざという場面でボロが出てしまうでしょう。

あえて、自分の意見を疑う。反対派の意見に耳を傾ける。中立的な立場の意見に耳を傾ける。そうしてみると、自分の意見は以外に偏ったものであったことに気づくかもしれません。全ての分野でこの丁寧なインプットを行うことは時間的に難しいかもしれませんが、ここぞ、という場面や、この内容に関しては譲れない、という場面ではこの3点インプットを行うべきでしょう。

生で聴く

読書やYouTubeなどの動画だけではなく、たまにはセミナー等の生で聴く場面にいくことが大切だと著者は述べています。場の緊張感、熱量、生の場面でしか体験できないことは本当に多くあります。何でもかんでも本や動画で手に入れられてしまう現代だからこそ、これからますます生の体験が重要になってくるでしょう。

また、そのような場に身を置くことで、適度な緊張感が生まれます。この適度な緊張感が、効果的な学習を促します。自宅ではなく、あえてカフェに行って勉強する、というのも場の効果ですよね。誰かに見られている、同じ目的意識の人が多い環境に身を置くことで、より集中力が増すでしょう。

 

 

かいつまんで、自分の言葉で再言語化してみましたが、他にも多くのインプットについての内容が項目別にわかりやすく説明されています。

何か新しいことを始めたい、インプットしてるはずなのになかなか定着している気がしない、そんな思いがある人にはたくさんのヒントが詰まった本だと思います。分厚いですが、わかりやすくイラストも豊富ですので1時間弱で読めてしまうので、気軽に手にとって読んでみることをお勧めします。

 

自分も、インプットとアウトプット続けるぞー。まずはできる範囲でインプットすることからですね…!